2008
07/14

３つ目の開幕

釣行記 / comment : 8 / trackback : 0

自分の１年は、チヌのフカセ釣りからスタートする。
実際はホッケ釣りになる事の方が多いという事実は置いといて・・・。
毎年5月に開催されるマルキューチヌ大会をピークに、その後は磯場でのメジナ釣りへ移行。
そしてエサトリも含めて、海の中の全ての生き物が活き活きと活動を始める7月中旬以降から、紀州釣りが開幕する。

この3つの釣り。
当然釣り方も仕掛けも全く異なるが、同じ事として１つだけ言えるのは「力でねじ伏せるのではない」って事。
あくまでも相手は自然であり、自然に対して人が合わせていくのが「釣り」であると思っている。
近年は魚の活性を一時的に上げる為、様々な配合が登場しているが、何事も急激に行うと少なからずとも反発が帰ってくる。
年金、税率等の政治問題もそうだし、夫婦間の問題もそうである・・・って書くと、非常に耳が痛い。

無論、それらの配合がダメって訳ではなく「もう少し」って感じに変化が欲しい時などは、もちろん有効である。

話は戻り、今日は紀州釣り開幕。
特にこの釣りに関して「急激」は完璧にＮＧ。
この時期は砂を蒔いただけでもエサトリは寄ってくる。
ウキ、エサ、団子から寄せられる数少ない情報を元に、海の中の雰囲気を想像し、最も釣り易い状況（パターン）を探し組み立てるのがこの釣りの面白い所。
一気にやっちゃったら楽しみも何も分かったもんじゃない。
例えば、夫婦間の場合・・・って、もうええか。。。

ここ数年の開幕は毎年この場所と決めてある。
船川港１キロ防波堤。
ここで紀州釣りを学び、数々の思い出がある大切なポイントである。

先行者へ声を掛け準備を始めていたら「ちょっと宜しいですか？」って事で、紀州釣りに関して談笑が始まった。
その方はカヤ浮きから始め、今年から自立浮きに変えたそうで、アタリの取り方、出かたに関してアレコレ盛り上がる。
やはり同じ釣りを目指す人との話は面白い。
永易流にも興味があるみたいで、思わず後ほど永易ウキをプレゼント。
頑張ってくださいな。

話を終えお互いの釣り座へ戻り、ゆっくりと準備をした。

しかし、やはり久しぶりで手が忘れていたらしく、スイベルを通さないで永易ウキをつけてみたり、サルカンを使わないで手が自然と道糸とハリスを直結結びにしてしまったり・・・いかんいかん。
１人で苦笑いしながら何とか準備完了。時計は9時半を回っていた。
空色がかなり怪しい。この釣り場の唯一の弱点は「雨の逃げ場が無い」って事。車に戻るまで20分もかかるしね。

さぁ〜て、記念すべき2008年第一投・・・とりゃ！！
「ぴゅ〜ん・・・・ドポン♪」って効果音を付けたくなるほど、団子は天高く舞い上がり・・・足先5ｍに着水。
あらら・・・てんでダメだ。リハビリが必要だな。

まだオキアミは付けず、動作も含めて思い出すようにして投げる。
徐々に片も温まり？動作に余裕が出てきた。
ここの１番のポイントは、15ｍほど沖にあるちょっとした壁。

よ〜し、そろそろ・・・とりゃ！

ようやく思う所へ団子が着水するようになった。
その間、雲行きは更に怪しく・・・。

海の中も空と一緒であまりパッとしない。又は最近の自分のように・・・とも言う。

まぁ、いいさ。今日は時間も少ないし1尾出たら御の字。
ゆっくり動作を楽しみながら手返しを続ける。

そういえばなぁ・・・
今はこんなに道具も・・・いや、道具だけは一流に近づき、こうして釣ってる訳だけど
紀州釣りを始めた頃。
団子すら１人で上手く投げれなくて、俺が竿持って、団子は女房に投げてもらってたっけ。
「準備はいいか？３・２・１・・・そりゃ！いげっ！！」江畑船長みたいだ（笑）
で、お互いのタイミングが合わず団子は空中分解。ほんで徐々に険悪な雰囲気になる・・・ははは。

・・・お？何か触った？
開始２時間も経った頃。ようやくエサトリ以外の反応。

同じ設定でなかなか食ってくれなかったので、ちょっとテンション（張り）を与えたら１発！
30ｃｍジャストってとこかな。
今年初物。丁寧にタモを使って取り込む。

その後は続かず、延々とエサ残り。
「ポツ・・・ポツ・・・ポツポツポツ・・・・ドシャァァァァ！」

遂に雨が落ちてきた。つーか、もう滝のような雨。
天気予報を見ているのにも関わらず、何も準備していない。
あぁぁ、止めようかな。隣人達も次々に片付けを始めた。
長い堤防に残されたのは、先端に居る気合の入った投げの老人と、大雨の中、Ｔシャツで釣りしている不思議な若者と３人になった。

気持ちが折れそうだったけど、西の空がかすかに明るく・・・そして雨も小降りに。
クーラーに座るのに勇気と決断が必要なくらい気持ち悪かったけど、我慢して釣りを再開。
紀州釣りの欠点はこれかもしれない・・・って、雨具を持っていれば良いだけの事か。

その後は30ｃｍを切る「夏チヌ」サイズを追加。
雰囲気は１尾目と同様で「あれ？」って変化があった後、何かしらで食う。
活性は低いんだけど、だからといって緩い団子や早く割ったりすると更にダメ。
やはり1分以上はしっかり持たせてからテンション掛けたり抜いたり。

さて、そろそろ服も乾いてきたぞ。そろそろ帰ろうかな・・・
「ポツ・・・ポツ・・・ポツポツポツ・・・・ドシャァァァァ！バァァァァァ！！！」

突然の雨に逃げ出せないのが、このポイントの欠点である。

もういいや。もう一尾釣ったら帰ろう。

全てがグッチョグッチョだけど、団子だけはしっかり。
でもそんな時に限って、雰囲気が良くなったりする。
「ガツガツ」って、久しぶりに団子アタリがあり・・・ズバッ！！と永易ウキが消しこむ。
おっしゃ！
・・・んでも今日は止めよっと。
「これからじゃないですか、なんで止めんですかぁ？」
なんて言いませんよね、師匠？もうグッチョグッチョです。小学校以来だ（笑）

今年も１番好きな季節がやって来た。雨は嫌だけどね。