2014
08/21
終わっていた夏
釣行記 / comment : 0 / trackback : 0
6月末に開催された、M-1カップに役員として参加した後、毎週の様に遠方への出張が続いた。
仙台市日帰りを繰り返し、東京へ行ったり・・・そして7月末には大坂での技術論文発表。
戻った翌週は技術論文試験で再び仙台へ。
一番好きな季節である"夏"を海で感じることも無く、落ち着いた時にはもう盆休みだった。
1ヶ月半も海を見ないなんて、十数年振り?かもしれない。
梅雨のような空が続く盆休み。
毎年恒例になるのだが、宮城の友人が遊びに来た。
これまた恒例ではあるのだが、初日は戸賀で二日目は加茂で竿を出す予定。
さらに天気まで恒例であるのだが、初日は快晴で、二日目は大雨・・・今年は外れると良いのだが。
三時半に戸賀漁港へ着くと船宿の電気がついていたので、久しぶりに江畑のトゥへ挨拶を済ませる。
「きしさん、久しぶりだねがぁ、今日はなんとす?」
それはそれは、顔面に「笑顔」と書いたような満面の笑みで、いつもの「江畑節」が始まる。
最近の釣果や他の人の話を5分くらい聞かされ、こちらが質問しようとすると・・・
「よぉ~し!きしさん、あっつぁ行って準備へ!!」
・・・まぁ、いつものトゥで安心したよ(笑)
8月14日だというのに、随分と涼しい潮風を受けながら船は南へ・・・お願いした「夷島」の手前で船が減速する。
「へば、行ってきまーす」
「きしさん、帰り何時だ!!」
「ん?3時」
「・・・」
「さ、ん、じ!!」
ニヤッと笑ったあと・・・
「きしさん、釣れるまで帰るな!!」
あららら、これまた久しぶりの名セリフ(笑)
島へ上がり、夜が明けるまで積りに積もった話を友人と語らう。
殆どは釣りの話じゃないけどね・・・この時間が好きなんだよな。
すっかり夜が明けたころ、ようやく準備に取り掛かり、1ヶ月半ぶりの海を楽しむ。
予想外の小鯵の猛攻ではあったが、こんな厳しい状況すら懐かしいような、ワクワクするような気分に心が包まれる。
10時を過ぎると、ようやく夏を思わせる様な日差しが頭を照り付けてきた。
ようやくウネリも落ち始めたため、先端へ移動する。
あれほど雨が降り続いたにも関わらず、そんなに水色は悪くない。
しかし、何故か2ヒロ~3ヒロで掛かってくるのはべラばかり。
べラが浮くとは・・・いよいよ男鹿も南国みたいになったな。
潮の周期がコロコロ変わるのか、急に海が真っ青になったり・・・少々濁ってみたり。
その「真っ青」のタイミングで、25~30cmのグレが釣れてくるようになった。
怪しいアタリが何度か続いたあと、春先に会得した新たな釣法?作戦?を再び試す。
仕掛けに針のウエイトが乗り切り、ジワジワとサスペンドする0cウキが加速。
久々の良型。37cm?だっけ。
その後もコッパは釣れたが、水色が悪くなると同時に再びべラの活性が急上昇。
早めに竿をたたんで、再び友人と語らい・・・1日目は終了。
2日目。
起きると外は既に小雨がぱらついていた。最近は寒気の影響なのか、雨の予報なのに晴れたり、降水確率が10%なのにスコールだったりと信用できないので、予報を無視して予定通り加茂へ向かった。
ニヤニヤしながらヒロ兄が登場。
「なに、今日は罰ゲームしにきたんだが?(笑)」
「いやいや、普通にグレ釣りですよ(笑)」
島へ上がると、徐々に雨足が強まり始める・・・しかもダシとはいえ、けっこうな風も同時に吹き始めた。
「やはり去年と同じだすなぁ」
「んだがら(笑)」
でも、去年は予報を無視してTシャツで来ていた。
今日はレインを着ているため、まぁまだ我慢できる寒さではある。
でも、10時を過ぎたころ・・・
「シャァァァァァァァァァァァァァァ!!」
20m沖も水煙で見えないほどの豪雨になった。
「きしさん、あれあれ!後ろ見て下さいよw」
「うげっ!何あれ!!」
釣り座の山側にある崖から大量の泥水が音を立てて土砂とともに海へ流れ込んでいる。
「すげぇ・・・初めて見た。しかし腹へったな。」
当然ではあるが、豪雨でも寒くても腹は減る。
豪雨の中でバックからコンビニで買ってきた「冷やしぶっかけトロロ蕎麦」を開けて食す。
「ビシャビシャ」と音を立ててトロロが跳ね上がり、当たり前だが、汁がどんどん増えて行く・・・しかも不味い(笑)
それを見て笑っていた浅野さんであったが
「あぁ・・・俺も腹減った。食べよう」と、バックから同じく天ぷら蕎麦?らしきものを取り出す。
「おし、一緒に食べますか!!・・・げっ!!!!」
うなだれて下を向く浅野さん。
「どしたの?早く開けて食おうぜ」
「きしさん・・・これ見て」
彼の買ってきた蕎麦は、電子レンジ専用だった。
500Wで4分30秒と書いてある。
「わははは。どうする?ヒロ兄呼んでチンしてもらう?(笑)」
「いや・・・いっす。腹減った」
必ず何かをやらかす男ではある。
雨の勢いは収まらず、昼ころ大竹丸が水煙の中から現れて
「罰ゲームおわったが?(大笑)」
「終わった終わった(笑)」
貴重な景色を眺めながら漁港へ戻る。
震えながら着替え、ヒロ兄と談笑をしてから帰路に就いた。
どうやら仕事の波に揉まれてているうちに・・・夏は終わっていたようだ。
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