2015
02/05
南紀行 ~友を訪ねて~
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体がいくつあっても足りない状態で年末を迎え、ようやく休みに入れるかと思いきや、次なる課題。しかも期限が1月5日。結局は2014年ぎりぎりまで社内で奮闘する。
さすがに疲れて何もかも嫌になりそうにもなったが、ストレスを溜めない体質?性格なのか、それも乗り切り、2015年を迎えた。
「はぁ辛かった・・・現実逃避ではないが・・・旅がしたい」
ふと思ったのだが、ヒトは何故に辛くなると旅に出たがるのだろう。
それはそれでなんとなく分かるのだが、何故か昔から男も女も辛くなると"北"へ逃げる。演歌でも歌われているように「北帰行」「津軽海峡冬景色」「悲しみ本線日本海」「北国行きで」「北航路」・・・数え上げたらきりがない。
まぁ、ほとんどが"恋に破れて未練タラタラ北へ逃げる"内容の歌なのだが、僕だったら恋に破れて辛いのであれば、何も極寒の北へ逃げるのではなく、南へ南へ逃げ・・・例えば沖縄などの南国や、極端な話で行けば真夏のブラジルにまで行って盛大に"サンバサンバ~♪ヒヤッホォ~♪"と踊っ来た方が、どんどん元気になるし、失恋の傷も1発で癒されると思う。
さらに疑問を言わせていただくと、北海道の先端の稚内や宗谷岬、根室に住んでる人はどうすんの?恋に破れて北へ北へ・・・サハリンや択捉島へ行けとでも?寒くて本当に死んでしまうではないか。
そもそも、演歌の中では北に行った"結果"や"成果"が歌われてはいないが、その後どうなった?北へ行って更に猛吹雪と地吹雪にあい、挙句の果てにロシア人にイチャモンつけられて散々な目にあって、そそくさと家に戻っているのが現実なのではないか。
歌で聞き手を励ますのであれば、今後、演歌歌手の方々にはどんどん「南行き」の歌を歌ってほしい。「恋に破れぇたがぁ~♪・・・南の島は~マンゴー♪パパイヤ~泡盛~私はもうあの人の事はすっかり忘れたわ~♪現地人と結婚するわぁ、あぁ幸せ南国♪」と、どんどん元気になり劇的に人生観も変わる歌。
・・・うむ、釣りブログだったねぇ、あいかわらずすまん・・・元へ。
ということで、以前から空想的な計画を漠然と練ってはいたのだが、半ば強引に"南行き"のチケットを予約し、友人に連絡を入れた。
その間、業務的に様々な障害が入ることが容易に想像できたが、そんな弱腰ではいつまで経っても"あの人"にも再会できない。
更に難関だった家族の了解も、出発日が"誕生日"ということで理解してもらい、一足先に荷物だけ秋田から旅立たせた。
ただ、もうすぐ4歳になる長女さまだけは最後まで大反対だったのは言うまでもない。我が家で1番僕を愛してくれてますから(笑)
明けて23日の誕生日。「おめでとう」「ありがとう、行って来まーす」という妙な挨拶で家を出て、秋田空港へ向かった。
当日の秋田の天候は「北西の風15m」と渡船もできない様な空模様ではあったが、少々の揺れを経て南へ南へと飛行機は飛び、ようやく厚い雲を抜けると・・・これからの楽しい旅を想像させてくれるような青い空。
ほらね、やはり辛い時は「南紀行」に限る。
前日まで残業続きで、あまり現実感が湧かなかったが、ここでようやく「行くんだな、行けるんだな」という気分になる。
ここが何処だか良く分からないが、雲も切れて雄大な景色が広がる。
去年の8月以来かな?伊丹空港に到着した。
さてさて、ここからが方向音痴の僕には大変な試練が待っている。
とりあえず新大阪駅まで行かねばならないのだが、準備が悪くて事前調査もしておらず、どうやって行くのがベストなのか良く分からん。
掲示板を見たりもしたのだが、良く分からなかったので空港のネーチャンに聞くと「リムジンバスが1番ですね、ニコッ♪」
うむ・・・訓練されているとはいえ、素晴らしい笑顔だ。
さすが南の国は違うね(←しつこい)
これが間違いだろうが遠回りだろうが、あの笑顔に疑いはない。バスに乗ろう。
30分ほど市街地を走ると新大阪駅に着いた。
「みどりの窓口」へ行き「すみません、次に出る"特急くろしお"のチケットお願いします」
「グリーン席と普通席がございますが?」
グリーン車か。実はこのかた生まれてから1度もこのようなリッチな席に座ったことが無いのだ。
出張でよくある事なのだが、旅路では隣席が空席って、小さい幸せを感じません?
特にそう感じるのは、駅弁とビールをやる時で、隣に人が居ると居ないとでは随分と気分が違うものである。隣にオバハンが来て、いきなりテーブルを倒しタオルを敷いて「世界は私だけ」みたいな雰囲気を出しながら寝られちゃ、本当にがっかりするものである。
そんな時に限って何故かトイレにも行きたくなり「すみません、ちょっと通して下さい」「・・・フン」これで小心者の僕の旅は台無しになってしまうのである。
ってことで「窓側のグリーン席で」と言ってしまった。
ホームに列車が滑り込んできた。
自由席に並ぶ方々の視線を受けつつ(実際は誰も見ていないと思うが)人生初のリッチな車両に乗り込んだ。
・・・おぉぉ、素晴らしい。
しかも、平日の昼ということもあってか、車両には僕1人という豪華さ。
売り子さんに「おすすめの駅弁とお茶を下さい」とリッチ風に注文し、周りを見回し、本当に自分が一人なのを再確認してから(この辺が小心者)シートを倒し、足を伸ばして遅い昼食を食べる。
「あぁぁぁ・・・幸せだ」
1時間も走ったろうか。そろそろ市街地の景色にも飽きた頃、ようやく壮大な海が見えてきた。
でも、またすぐに山に入り・・・そろそろ飽きてきた頃。
ようやく目的地の「紀伊勝浦駅」へ到着。
さてさて・・・どこだろう、あっ居た。
バンダナにマスクといった風貌で、椅子に腰かけている、一見すると恐くてガラの悪そうな(笑)そめさんを発見。
「お久しぶりです」
「ようこそ、きしさん」
2011年の冬以来の再会。前回お会いした場所は福岡であったが・・・あれから数年経ちお互いにも様々な出来事があり・・・でも、お元気そうで何より。
僕には2名(馬場さんを入れると3名)兄と慕う方が居るのだが、本当に懐が深く、魅力的な男なのである。
そめさんの車に乗り込み、とりあえずは寿司屋へ向かった。
クジラ、マグロ・・・秋田も魚は旨いのだが、とにかく出て来るものすべてが目新しくて新鮮で、僕の胃袋は5分もしないうちに「おい、やっぱ逃避行は南国だろ?」状態に。
そして長旅の疲れと、最近毎日僕の行動を妨げていた「坐骨神経痛」を和らげるために温泉へ。
1,500年の歴史を持つ紀州の名湯「きよもん湯」
単純硫黄泉らしいのだが、秋田の田沢湖などの硫黄泉とは、また随分と感じが違った。
少々ビリビリとは来るのだが、これが痛めた腰には何とも気持ちの良いこと・・・。
僕にしては少々長風呂を楽しみ、僕の荷物が待つそめさんの自宅へ。
体は疲れてはいるのだが、何かここの居るのが嬉しくて嬉しくて・・・また、明日の渡船宿が、ここから車で10分ということも手伝って、やはり深酒(笑)
日付が「誕生日プラス1」に変わったころ、布団に潜りこんで30秒足らずで眠りにつく。
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